Claude Code 44.4%の正体:Hugging Face agent-usage の読み方
Hugging Face の公式データセット agent-usage の実値で、2026年4〜7月のコーディングエージェント別シェアと、44.4%という数字の分母が分かります。pct_requests と pct_users の違い、原典が挙げる測定範囲の限界3点、レジストリ登録の手順まで条件別に整理しました。
答え 2026年7月・Hub帰属分 44.4 % pct_requests の値
この記事は、海外の一次情報をAIエージェントが調査・検証・翻訳して整理したものです。実際に製品やサービスを試した体験談ではありません。
結論:44.4%は「Hub に届いたエージェント帰属リクエスト」のシェア
Hugging Face の公式データセット huggingface/agent-usage によると、2026年7月にエージェントへ帰属できた Hugging Face Hub のリクエストのうち、44.4%(実値 44.3589)が Claude Code でした。同社は2026年8月14日公開のブログ『State of Open Models: Summer 2026 Observations』の第6節「Agents are the new user」でこの数字に触れています。
分母は次の3つで限定されます。
- 期間は2026年7月の1か月
- 母集団は Hugging Face Hub へ届いたリクエストのうち、エージェントに帰属できたもの
- 経路は Python の
huggingface_hubライブラリ(hfCLI を含む)が付ける User-Agent トークン経由のみ
コーディングエージェント全体の利用回数やユーザー数のシェアではありません。
Hugging Face agent-usage の月次シェア(2026年4月〜7月)
以下はすべて pct_requests の列の値です(丸めた値、カッコ内は実値)。Hugging Face の公式データセットの monthly サブセットから取っています。
| 月 | Claude Code | Codex | unknown(未登録) |
|---|---|---|---|
| 2026年4月 | 67.8(67.7732) | 10.4(10.398) | 4.5(4.5017) |
| 2026年5月 | 6.4(6.405) | 14.1(14.1461) | 59.8(59.8326) |
| 2026年6月 | 23.9(23.9004) | 19.8(19.7824) | 37.7(37.6934) |
| 2026年7月 | 44.4(44.3589) | 20.8(20.8175) | 23.1(23.1012) |
同データセットの README は pct_requests を「その期間の、エージェントに帰属した huggingface_hub リクエストのうち当該ハーネスが占める割合(0〜100、各期間で合計100)」と定義しています。合計が100になる以上、ここに載っていないハーネスの値を足すと表は埋まります。
4月の数値を比較の起点にしてはいけない
README は「月次の前月比較は2026年5月から始めること」と明記しています。理由も書かれており、agent/ トークンの展開が2026年4月3日で、ハーネスごとに検出の実装時期が異なるため、4月はロールアウトの進み方を反映しているのであって相対的な利用状況を反映していない、とされています。4月の67.8%は、原典自身が比較に使うなと言っている参考値です。
5月の数値は2026年8月18日時点でデータセット側を採る
2026年8月18日時点で、公式ブログ本文の5月の記載は、同社の公式データセットの実値と食い違っています。ブログの初出(2026年8月14日)の本文は “it held 67.8% in April and 6.4% in May” で、2026年8月17日のコミット「[state open models] A couple of fixes」でこの箇所が書き換えられました。
pct_requests は各期間の合計が100になる定義で、2026年5月は unknown だけで59.8%を占めます。本記事は5月の値をデータセット側の6.4%(実値6.405)で採ります。同社が後から再修正する可能性はあるため、引用する側は取得日を添えるのが安全です。当事者が公表した数値の基準線をどう扱うかは、HeyGen の TPU 移植レポートを基準線から読んだ記事でも同じ論点として扱いました。
pct_requests と pct_users の違い
このデータセットの数値列は2つだけです。どちらを引用するかで数字が変わります。
| 列 | 定義(README) | 2026年7月の Claude Code |
|---|---|---|
pct_requests | エージェント帰属リクエストに占める割合 | 44.4(44.3589) |
pct_users | 識別済みの認証ユーザーで見た同じ割合 | 39.5(39.5292) |
README によれば pct_users は「2つのハーネスを使っている人はそれぞれで1回ずつ数える」定義で、実ユーザーの重複排除ではありません。同じ7月でも約5ポイントの差が出ます。
この数字が測っていない3つのこと
Hugging Face の公式データセットの README は、読み方の限界を自分で挙げています。
1. シェアはゼロサムである
README は「シェアの低下は利用の減少を意味しない。エージェントの総トラフィックは増えているので、あるハーネスはリクエストを倍にしながらシェアを落とすことがありうる」としています。これは可能性の記述であり、どこかが実際に倍増したという主張ではありません。
2. Hub の利用の測定であって、エージェント全般の人気ではない
README は「Hugging Face Hub をほとんど叩かない広く使われているツールは、ここでは低く出る」と明記しています。Hub からモデルやデータセットを引く用途が少ないツールほど、構造的に低く出ます。
3. 帰属は自己申告で、経路も限られる
計上されるのは Python の huggingface_hub ライブラリ経由のトラフィックだけで、Hub API を生の HTTP 呼び出しで叩くツールは計上されません。トークンはあるが登録名が無いものは unknown に集約されます。加えて、公開されているのは相対シェアだけで、絶対リクエスト数も、Hub 全体に占めるエージェントの割合も原典に数値がありません。
自分のハーネスを unknown から名前つきにする手順
Hugging Face Hub の公式ドキュメント(公開日の表示が無いため、2026年8月18日時点で確認した内容です)によると、登録の経路は次のとおりです。
@huggingface/tasksパッケージのagent-harnesses.tsにエントリを追加するプルリクエストを出す- 標準の環境変数
AI_AGENTまたはAGENTを設定している場合は、その値がそのまま識別子として使われ、追加の設定は不要とされています - そうでない場合は
envVarsに環境変数名と値パターンを定義する。"*"は非空の任意の値、完全一致の文字列は厳密一致、"<prefix>*"は前方一致 - マージ後は
huggingface_hub(hfCLI を含む)のトラフィックが名前で帰属され、次の月次更新から表に出るとされています。どちら側もリリースは不要で、インストール済みクライアントは1日以内にレジストリを更新するとREADMEに書かれています
注意点として、環境変数 AI_AGENT を立てるだけでは名前つきにはなりません。レジストリの実体である agent-harnesses.ts には、標準環境変数の値はレジストリのキーと照合され、認識されない値は unknown として報告される旨がコメントされています。登録が先で、環境変数は識別子を伝える手段という順番です。
引用するときに落とさない条件
- 月を書く(値は月次で大きく動きます。Claude Code は5月6.4%、6月23.9%、7月44.4%)
- 列名を書く(
pct_requestsかpct_usersかで7月は約5ポイント違います) - 取得日を書く(データセットは月次更新、ブログ本文は公開後に編集されています)
- 「利用が増えた/減った」と読み替えない(ゼロサムのシェアです)
- 4月を起点にしたトレンドにしない(原典が比較の起点を5月からと指定しています)
公式が出す数値が何を置いていて何を置いていないかを切り分ける作業は、GitHub の Copilot インパクトダッシュボードのROIセクションを分解した記事と同じ形です。社内で数字を共有する前に、この5点を添えておくと解釈のずれが起きにくくなります。
参考にした情報源
全7件のうち0件 が公的機関の公開資料です。
- State of Open Models: Summer 2026 Observations(Hugging Face 公式ブログ)
- huggingface/agent-usage(Hugging Face 公式データセット)
- huggingface/agent-usage README(Columns / Reading the data 節)
- huggingface/agent-usage monthly サブセットの実値(Datasets Server API)
- Agents(Hugging Face Hub 公式ドキュメント)
- agent-harnesses.ts(@huggingface/tasks。登録レジストリの実体)
- huggingface/blog 当該記事のコミット差分(GitHub API)